入谷からすこし歩きますが、入谷駅から徒歩で10分ほど。
バス通りを日暮里方面に進み、金曽木小学校をこえ、問屋「タジマ」の向かいにある「丸昇」。
「おでん」と「大学いも」の文字が看板におどります。
看板メニューだけあって、どちらも絶品です。
おでんは、小学生の頃、おつかいでよく買いに行きました。
冬の寒い日などは、近所のひとがお鍋を持って並んでいました。
私の順番になると、おじさんが「いらっしゃい。はい、お駄賃」と
お鍋からひとつ、熱々のウィンナーをくれました。
それをホフホフと食べながら、おじさんがビニールにおでんを入れてくれるのを待ったものです。
その「お駄賃」がいつも楽しみで、おでん屋さんへのお使いは買って出ました。
丸昇は今年で40年目を迎えます。
先日、おでんを買いに行ったら、おじさんが
「おねーちゃんはいくつになった?おじさんもう82歳になっちゃったよ」と。
おじさん、私もいい歳ですよ(笑)
でも、おじさんは変わらず「はい、お駄賃」と、こんにゃくを1つ、くれました。
こちらはテレビや雑誌でもよく紹介されています。
「大学芋」が取り上げられていることが多いようです。
お店のなかで奥さんが、1本1本丁寧に皮をむき、面取りをしています。
外はカリカリ。大学いもにありがちなゴワツキがまったくありません。
中はしっとりホクホク。とても香ばしい蜜が芋の香ばしさをさらに引き立てます。
おでんも大学芋も、どちらもオススメですが、もう1つ。
「芋ようかん」があります。
いい芋が手に入ったときだけ、作るという「いつもあるわけではない」芋ようかんです。
芋ようかんというより、なめらかな芋そのものといった感じです。
さつまいもって、そもそも、ふかしたままですでに極上のスイーツですもんね。
その極上のスイーツの、皮をむいてくれて、いいところを凝縮してくれたような、そんな芋ようかんなんです。
いもいもしていて、しっかりと、しっかり芋の味がします。
ほどよく粗い粒が残っていたりして、素朴な質感。
さつまいも本来の甘みを楽しむことができます。
この芋ようかんも、お店のなかで1つ1つ、手作業で作られています。
その証拠に、おじさんの腕には「こねだこ」があります。
確実に手に入るものではないのですが
手土産にオススメです。
住所:荒川区東日暮里4-2-1
電話:03-3807-0620
営業:11時~19時
定休:日曜・祝日