浅草・永澤屋 さんに聞く、祭り衣装の選び方。

今週は神田祭、来週は小野照崎神社と三社祭、来月は三島神社と鳥越神社、素盞雄神社と、お祭りが続きます。

お祭りに参加してみたいけど、どんな格好をしたらいいかわからない!

という方のために、浅草の祭り用品専門店「永澤屋」さんにアドバイスをいただいてきました。

永澤屋さんは、浅草の新仲見世、和菓子店「舟和」さんにほど近いところにあります。

明治3年の創業で、今年147年目を迎え、現在のご主人は5代目。元々は生地屋だったそうです。

永澤屋さんでお祭りの衣装を販売し始めたのは昭和30年頃から。

平成2年からオリジナルデザインの鯉口シャツ(こいぐちシャツ:祭りの時に着るシャツ)を製造、販売するようになりました。

店内所狭しと並ぶ鯉口シャツは、趣味で絵も描かれるご主人自らがデザイン。

シャツは、柄や色使いによって染めや刺し子の工程が変わり、手間がかかるものほどお値段も上がります。

イメージした色が出るまで何度も試作するそうです。

ご主人がデザインする柄の虜になり、親子3代で買いに来るお客様もいるのだそう。

ご主人に初心者の方むけに、まずはこれさえあればOKというものを教えていただきました。

①:鯉口シャツ(こいぐち)
②:股引き(ももひき)
③:足袋(たび)
④:帯(おび)
⑤:腹掛け(はらがけ)
⑥:巾着(きんちゃく)

このスタイルは、江戸時代に大工さんが仕事着として着ていた衣装に由来します。

大正の頃までは下は白の半股引きに上半身サラシを巻いて、半纏を羽織っていたのだそうです。

いつしか職人さんのスタイルを真似することが格好いいということになり、今のスタイルが主流になったようです。

神輿をかつぐ際は、町内で決まった半纏(はんてん)もしくは、町会公認の友好団体(神輿同好会)の半纏があるので、上から羽織り、④の帯で締めます。

半纏は、町会によっては貸し出しもしていますので、初めてお神輿にチャレンジしてみたい方は、お住まいの町会にお問い合わせください。

お子さんの半纏はほとんどの町会が自由だと思います。

↑子供用の半纏とシャツ、股引き。3歳以上から(半纏4,850円、シャツ4,600円、股引き5,200円)

①:鯉口シャツ

袖口が鯉の口のようにつぼまっていることから「鯉口」と呼ばれています。

鯉口シャツは、体にフィットしたものを選び、裾は股引の中に入れるのが基本。

鯉口シャツの上に⑤の腹掛を着ます。

体にフィットしたものを選ぶことで、スマートに着こなせるだけでなく、動きやすくケガの防止にもなります。

色選びは、半纏は抑えた色、柄が多いので、シャツで遊ぶのがオススメです。

江戸時代、裕福となった商人に対し、贅沢を禁じる御触れが出たことで、着物の表地は地味にし、裏地を派手にし、その人の好みを主張する、ということがあったようですが、祭り着にもその流れがあるようです。

②:股引

↑白の半ダコ(半股引き/膝上丈)と、紺の股引きの2種類があります。

本来は半タコが基本で、紺の股引は仕事着だったが、今は着る人の好みなので、どちらが絶対ということはありません。

黒の半タコだと車夫の方の仕事着になりますのでお神輿にはおすすめしません。

↑右の本染股引は機械ではなく、手染めで作り上げます。

隅々までしっかり藍が染み込んだ独特の風合いが魅力です。

股引を選ぶ際は「ピッチリピチピチ」を意識すると良いでしょう。

裾はくるぶしの上くらいまでがジャストです。

ピッチリと着るのが粋です。

③:足袋

↑左:厚底足袋1,649円から、中:エアー足袋3,695円から、右:クッション足袋2,297円から

他にわらじを履くこともあります。格好よく見えますが、本来は旅装束とのこと。

エアー足袋は、膝やかかとの保護、衝撃の緩和・吸収を目的として作られた新しい足袋です。

こちらがエアー部分。エアー足袋が断然楽です。

初めてこのエアー足袋を見たときは正直、足袋までエアーの時代かと驚きました。

でも、履いてみれば、よくぞ作ってくださいましたと思いました。

アスファルを長時間歩くのに非常に適した足袋です。

④:帯

↑角帯といいます。吉原繋ぎ(右から3番目)、松葉散らし(右から2番目)など各種和柄がモチーフになっています。

↑巻き帯といいます。角帯と比べると色が鮮やかです。幅を広くして巻くので映えます。

選ぶときのポイントは
①半纏の色に逆らうこと(反対色を選んで帯を目立たせる)
。
②同系色の場合は濃淡をしっかりつけること
。
③丈が短い半纏の場合は6センチ幅の角帯、丈が長い場合は8センチ幅の角帯

そして、帯はきちんとしめるのが粋。

最近は巻き帯も流行っています。太目に、お尻を隠すように巻くのが粋です。

結び方は自由です。

締め方がわからない場合は、町会の方に教えていただいたり、ネットにも出ているので調べてみるとよいでしょう。

⑤:腹掛

地域によっては「どんぶり」や「寸胴」などと呼びます。

これは大工さんが、首からかけ、道具をポケットに入れるために使っていました。

腹掛のかっこいい着方は、首元がぴったり首にくっつくくらいがちょうど良いサイズです。

首元が垂れているのはカッコ悪く、首元から鯉口シャツが見えてしまうのは粋じゃありません。

⑥:巾着

↑このタイプは信玄袋とも言います。

↑こちらはもともとは煙草入れだったことから「火の用心」とも呼ばれています。

根付が付いているタイプで帯に挟んで引っ掛けることができます。

↑左の2点:ポシェット(チャック付き)1,180円、右の2点:ポシェット 800円

お祭の基本的スタイルは袢纏・法被(←お坊さんの玉座を覆う布だ、とは店主談)の帯に巾着を根付で留めるのが粋です。

巾着とあわせて、木札などの小物をうまく使うとおしゃれです。

木の材質や漆の種類、レーザー加工か手彫りかによりお値段や納期が変わります。

こちらの木札は掘りではなく、手書き。両面手書きで2,000円。

と、いささか駆け足でご紹介しましたが、とりあえずこの6点をおさえておけば、お祭り衣装はまちがいないです。

お店に行って、サイズ感や、その他わからないことがあったら、店員さんにアドバイスをいただくと良いと思います。

ページ下に永澤屋さんのシャツコレクションを掲載しているのでご覧ください。

そしてお店を訪れてみて、ビビッと来た1枚を手にぜひとってみてくださいね。

◆永澤屋◆
東京都台東区浅草1-22-7
03-3841-7593
http://www.nagasawaya.com/

◆永澤屋オリジナルシャツ(一例)◆

鳳凰です。お神輿の屋根に鎮座しています。お神輿それぞれ鳳凰に特徴があるので、注目して見てみてください(8,800円〜)

シックな柄と色合いで人気があります。どんな半纏、スタイルにも合わせやすいです(7,650円〜)

8,800円〜

竹に隅取り。歌舞伎柄も定番モチーフです(9,050円〜)

浅草らしく風神雷神(8,800円〜)

全体を黒く染め、花や葉の部分を白く抜き、花の赤を染める。という大変手間のかかった職人芸が光るシャツ(9,050円〜)

鮮やかな蝶柄と隅取。女性におすすめです(9,050円〜)

8,250円〜

凧柄です。凧に描かれた「睦」の字は、仲睦まじくに由来しています(8,250円〜)

藍色地に隅取りで股引や腹掛に合わせやすい色柄(8,000円〜)

纏柄。火事は江戸の華。纏も江戸前柄の代表です(8,400円〜)

8,800円〜